近年「大学の大衆化・ユニバーサル化」が叫ばれ、多種多様な学生が キャンパスの中にいます。また、激しい競争の中、大学には「教育の質保証」が 強く求められています。入学した学生に学ぶ環境をどのように提供していくのか、 さらに、当初からハンディをもった学生に対して「学ぶ権利」をどう保証して いくのかなど、大学は大きな課題を抱えています。 そうした中、2010年1月から施行された改正著作権法の下で視覚障害者等に対して サービス実施を促すために、国公私立大学図書館協力委員会、全国学校図書館協議会、 全国公共図書館協議会、専門図書館協議会、日本図書館協会の5団体からガイドライン も発表されました。 今回、村田氏から、大学における障害学生支援の総論、京都大学における障害学生支援の 状況と図書館での対応についてお話し頂きます。次に、河野氏、丸山氏から、 立命館大学図書館でテスト運用を始めた視覚障害学生に対する所蔵図書デジタル化サービスの 実例を紹介して頂きます。 現在、多くの大学では視覚障害をはじめとするハンディを持った学生が学んでいますが、 大学として何ができるのか、図書館が何ができるのかを皆さんと考えてみたいと思います。