奈良大会へのお誘い(1) 〜奈良支部紹介〜
川村殉子

 来年の全国大会は奈良で開催されることになりました。開催をお引き受けするかを支部で検討した際に、支部員が少人数であること、会場確保の困難さ等々の理由で迷いましたが、今回お断りしてもまた2,3年後には声をかけられるだろう、ならばやってしまえと勢いで結論を出してしまいました。常任委員の方にOKのお返事をさしあげたあとも実感がなく、「来年はうちがやるんだよね」とお互いに確認しあっている今日この頃です。

 さて、支部の紹介を少しいたします。支部報『なら』1号によると、「第14回全国大会天理大会を機に、昭和58年8月、大阪支部より独立」し、4名の会員からスタートしたそうです。「Take it easy、お茶飲みつつやりましょーという他支部にない程に軽いカラーを持っていた」そうですが、今もこの雰囲気は変わっていません。ちなみに支部報表紙の題字「なら」は、当時の編集者が、同僚の方が昼休みに紙の切端へちょこっと書いたものを拝借して使い始めたそうです。後日、題字使用の事後承諾をもらった折、「だったらもっとちゃんと書くのに」と言われたらしいのですが、なにげなく書いたその力みのなさがまたいい感じなんですよね。

 現在の会員数は8名です。所属別では大学図書館5名、県議会図書室1名、博物館1名、大学教員1名です。活動としては2か月に1回の例会開催と支部報発行をベースとして、年に1回の近畿4支部合同例会への参加等があります。最近では低調気味の支部活動ですが、今回のことがよい活性剤になればいいな、とは私個人の思いですが。

 さて、たくさんの方に来ていただきたい奈良県の紹介を。県の人口は約144万人で、都道府県別では全国で29位にあたるそうですが、総面積と可住地面積割合が共に40位以下という数字を反映し、県北部に人口の大半が集中しています。県外就業率が全国1位(約33%)といいますから、その何割かは大阪や京都へ通勤されているのでしょう。そうなんです、通勤できるほど大阪や京都から近いんですよ。奈良は遠い・・・なんて思われている方もいらっしゃると思いますが、どちらからも電車で約45分です。  奈良に対するイメージの一つとして「歴史」が挙げられますが、国宝・重要文化財指定件数は東京、京都に継いで全国3位(1,372件)です。現在会場を検討中ですが、大会後は観光もしていただけるよう、いずれも東大寺奈良国立博物館といった名所へは徒歩でまわれる距離です。あと面白いところでは柿収穫量3位、新聞頒布数(1世帯あたり)1位、ピアノ所有台数(千世帯あたり)1位、海外渡航者数(人口千人あたり)4位というデータがあります。(『100の指数からみた奈良県勢平成14年版』(注:連載当時,現在のものは『平成15年版』)

 さあ、奈良について少しは興味をお持ちいただけましたか。みなさんに「来てよかった」と思っていただけるような大会になりますよう奈良支部はこの一年がんばりますので、ご要望・提案等がございましたらぜひご一報ください。来県していただけることを支部員一同楽しみにしております。

(かわむら・じゅんこ/奈良県立大学附属図書館)


*『大学の図書館』21(10)[2002.10]より転載

奈良大会へのお誘い
伊藤智彦

 今年の全国大会のお世話をさせていただきます奈良支部から、大会のお誘いです。  今年の全国大会は奈良市で、8月23日(土)から25日(月)までの日程で行います。会場は、奈良県立文化会館猿沢荘を予定しています。県立文化会館は、近鉄奈良駅から徒歩で10分ほどのところにあり、道をはさんで、向かいに興福寺があります。また、猿沢荘は、その名の通り、猿沢池のほとりにあります。どちらも奈良市の中心部、奈良公園に隣接していますので、大会の空いた時間を見つけて、ぶらっと、奈良国立博物館や、東大寺興福寺に出かけていただくこともできるでしょう。鹿と遊ぶこともできますよ。

 初日の基調講演では、奈良大学の上野誠先生に講演をしていただく予定になっています。先生は日本古代文学・万葉文化論がご専門で、民俗学的な視点から万葉集を捉え直し、万葉集研究の若きプリンスと目されているとのことです。大阪の毎日放送で、土曜日の朝に「上野誠の万葉歌ごよみ」という番組を担当されています。知的な内容でありながら、柔らかな語り口で軽妙に話される先生の話術には、思わず引き込まれます。

 最終日の午後には、昨年開館しました、国立国会図書館関西館の見学を予定しています。電子図書館機能を重視した関西館の見学からは、次代の図書館について示唆されるものが多いことでしょう。

 二日目にあります各分科会も、もちろん力のこもったものになるはずです。
 盛りだくさんの内容でお送りする奈良大会。
 ぜひとも今年の夏は奈良にお越しください。

(いとう・ともひこ/奈良先端科学技術大学院大学附属図書館


*『大学の図書館』22(4)[2003.4]より転載

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