午前(9:30-12:30)
第1分科会:大学図書館史 「大学図書館問題研究会の歴史を見る part2」
大学図書館問題研究会は1970 年の結成、2020 年には50 年を迎えます。
今回の大学図書館史分科会は前回に続き、会報(『大学図書館問題研究会会報』、『大学の図書館』)の
記事を中心に大図研50 年の歴史を振り返り、大図研全体の活動や支部・地域グループの活動、当時の
大学図書館の動きを見ていきます。また支部・地域グループの活動については、開催地区である
福岡地域グループにスポットを当て、福岡支部(当時)誕生の歴史を共有していきたいと考えています。
担当:
加藤 晃一(東北大学附属図書館)
吉田 弥生(大阪大学附属図書館)
第2分科会:学術基盤整備 「電子リソース管理 契約する?しない?「試読」と「無料データベース」について考える」
図書館の購入予算が逼迫する中、電子書籍の試読サービスと呼ばれる一種の読み放題サービスが日本でも
登場してきており、CiNii、Google Scholar などの文献検索サービスと有料データベースからImpactStory
によるOA 論文への誘導、国立国会図書館デジタルコレクションや歴史的典籍に関する大型プロジェクトなどの
大規模電子化、e-Gov 法令検索のリニューアルなど主題分野でも電子化が進んでおり、海外でも生命科学や生物
医学に関するデータベースPubMed の高度化やプレプリントサーバarXiv.org の投稿数の激増など購入・契約する
図書館資料とFREE のデータベースをどう組み合わせてコレクションしていくか、宣伝していくかが重要に
なっています。本分科会では、幾人からの話題提供と参加者とのグループワーク、検討により、図書館が対象
とする情報資源の広がり(多様性) の全体と、それに対する資源探索と資源管理の姿はどのようなものか
ハイブリッド図書館におけるコレクション形成について考えていきます。
担当:
野間口 真裕(京都大学北部構内事務部)
長坂 和茂(京都大学工学研究科桂建築系図書室)
第3分科会:図書館経営 「外から見た大学図書館の印象~業務改善、広報活動、連携活動の展開について考える~」
学生や教員、職員などの、図書館外の人と会話をしているときに、図書館に対するイメージがいわゆる
図書館の中の人が想定しているものとギャップがあることを感じたり、せっかく良いサービスや取組を
しているのに、なかなか図書館の活動が周囲に伝わっていかないなどと感じた経験はないだろうか。
その一因として、普段は日常業務に追われ、大学図書館の活動が周囲からどのように受け止められて
いるのか意識する機会を持てていないということが考えられないだろうか。
今年の図書館経営分科会では、図書館外の人からの図書館の印象を参考として、業務の見直し、新サービス
の展開、広報活動の改善、他部署・他機関との連携の在り方について考えることを予定している。参加者の
積極的な議論を期待している。
担当:
山口 友里子(一橋大学)
北川 正路(東京慈恵会医科大学学術情報センター)
第4分科会:出版・流通 「電子書籍の利用促進を考える」
電子書籍を導入したものの利用が伸び悩む図書館が多いことを受け、どのように電子書籍の
利用を促進すべきか、参加者で討論を行います。特に、以下の3 点に注目して討論を行います。
・試読など電子書籍の購読モデル
・OPAC・ディスカバリーなどを含めた利用者への提供方法
・ガイダンスなどの周知方法
冒頭で論点整理を兼ねて、6 月に行われた第26 回大図研オープンカレッジ(以下「DOC」)
「電子ブックの可能性を探る」の報告を行います。
DOC 冒頭で行われた「電子ブックの現在地 ?電子ブックと図書館と利用者のこれから?」を
ベースにした講演、およびDOC での議論の報告を行います(30 分程度)。ここで電子書籍を
巡る現状や課題を共有し、議論の題材にします。
その後、明治大学図書館における電子書籍の利用促進に関する事例報告、および関係企業か
らのプロダクト・レビューを行います(各15 分程度)。
その上で上記3 点を軸に、討論を行います。電子書籍の契約担当者に限らず、様々なお立場
の方にご参加頂き、議論を深めたいと考えます
本分科会は、自館での電子書籍の利用促進について、参加くださる皆さんご自身が考えるため
の契機となることを目的とします。ゆえに、参加者による討論が主体となります。積極的な姿勢で
参加くださる方を、歓迎します。
担当:
井上 昌彦(関西学院大学図書館)
西脇 亜由子(明治大学図書館)
午後(14:00-17:00)
第5分科会:利用者支援 「インターネット時代におけるレファレンスのあり方」
インターネットが普及した結果、わざわざ図書館に資料探索を依頼しなくても必要な情報が
手に入るようになりました。レファレンスコーナーを利用する学生も急減しています。
これまでのレファレンス業務は「受動」の形でも成立しました。学生が相談に来るのを待って
いればよかったのです。
しかし、加速する利用者減に対して、「受動」ではなく図書館側から「能動」的にレファレンス
の有効性を伝えていく必要があると感じます。例えばインターネット検索よりも信頼性の高い
「データベース」を積極的に紹介することや、自力で資料を探すのが困難な学生への学習支援を
打ち出していくことなどがあげられます。
レファレンスコーナーの利用増加や、来館しない学生に向けて、図書館ができる対策はまだまだ
あるのではないでしょうか。
本分科会では、参加者との討議、検討により、インターネットにおけるレファレンスのあり方を
模索していきます。
<参考文献>
1.齋藤泰則. ラーニングコモンズとしての大学図書館とレファレンスサービス
『図書の譜:明治大学図書館紀要』 22, p.1-10, 2018
http://hdl.handle.net/10291/19394
2.渡邊由紀子. レファレンスインタビューの意義と方法
『びぶろす-Biblos』75, p.3-9, 2017.01
http://www.ndl.go.jp/jp/publication/biblos/2017/1/02.html
3.米澤 誠. あらためて大学図書館のレファレンスを考える : 問題提起にかえて <第21回研修会講演(2)>
『SALA会報』 18, p.4, 2010
http://id.nii.ac.jp/1586/00014275/
担当:
川端 幸枝(酪農学園大学附属図書館)
楫 幸子(安田女子大学図書館)
第6分科会:資料保存 「図書館資料の恒久的な保存を目指して」
「資料保存」分科会では、酸性紙の歴史と劣化のメカニズム,温湿度管理など様々な観点から、
資料保存をとりあげます。
大学図書館によっては書庫の狭隘化等に伴う,資料の保存環境の悪化が懸念されているところ
でもあり、資料の恒久的な保存を目指す取り組みが必要です。分科会に参加されるみなさまからの
事例紹介やディスカッションを通じて、それぞれの問題点を明らかにし、その解決方法を模索できれば
と考えております。
みなさまのご参加をお待ちしています。
担当:
和知 剛(郡山女子大学図書館)
呑海 沙織(筑波大学図書館情報メディア系)
第7分科会:キャリア形成 「キャリアパス解決の糸口を見つける」
私たちは、仕事を通して必要とする知識やスキルをその都度習得することが多い。しかし、仕事を
始めてからその後のキャリアを自らデザインする人は少ないのではないか。また、キャリアを
デザインしたいとしてもその方法が分からない人も多いのではないかと考える。
そこで、今回のこの分科会では、図書館員として働いている皆さんが常日頃身に付けたい、身に
付けることが必要と思っている知識やスキルをどのようにして身に付けているか、またはどのよう
なキャリアプランをお持ちなのか、既にそのプランに乗って着実にキャリアを形成している方にお
話を聞くと共に、今後役に立つ様々なキャリアプランを紹介できればと思う。
そのためには、参加者の皆さんに、前提となる知識や資格、または将来目指すワークスタイルや
職種などを具体的にイメージして参加してもらうことにより、分科会においてより具体的に話を掘
り下げることができると考える。
現在、ただ図書館が好きだから、ただ異動させられたからという理由で、モチベーションを下げ
ている図書館員の方、これから先の道を切り開くのはあなた自身ということを再考してみましょう。
<参考文献>
1.大学図書館員の現状に関するいくつかの覚書 : 今後の議論のために
http://jairo.nii.ac.jp/0107/00013199
2.大学図書館職員の専門性と専門研修のあり方について(報告)
国公私立大学図書館協力委員会 研修のあり方に関するワーキンググループ 平成27 年12 月
https://www.janul.jp/j/documents/coop/training_wg_report_1512.pdf
担当:
矢崎 美香(九州女子大学)
鈴木 正紀(文教大学図書館)
第8分科会:図書館建築・デザイン 「施主の視点および設計者の視点から考える」
今回は、大学図書館の改修・新築に際し、大会開催地・福岡をはじめとした新館の事例発表に焦点を
当て、現在の大学をはじめとした図書館建築およびデザインに求められているものについて、参加者の
みなさんと共に考えていく予定です。
2017 年4 月に開館した西南学院大学新図書館の設計者である(株)佐藤総合計画担当者も参加予定
ですので、施主および設計者の双方の視点からの話し合いが期待されます。 参加者の皆さんと、いくつ
かの事例報告をもとに、これからの大学図書館にとって必要な建築およびデザインとはどういうもの
なのか、一緒に考える機会となれば幸いです。
後半は参加されたみなさまの所属先における事例や情報提供をはじめ、いろいろな角度から話し合い
の場を持ちたいと思います。
担当:
中島 慶子(豊橋創造大学)
九州地域G