分科会について

9月21日(土)14:15~16:15


第1分科会:資料保存 「資料保存における地震対策について」

 日本は地震国であり、過去に、大学図書館では地震により、資料の破損、紛失の被害を被ってきた。今後も南海トラフ地震や首都直下地震などの発生が予想されている。一方、地震の被害を直接経験していない図書館員の割合も増えてきている。大学図書館にて、資料保存の視点からの地震対策への意識が常に維持されているとは言い難い。本分科会では、以下の内容を把握して、資料保存の地震対策を考える。

・地震による資料の破損、紛失などへの被害の内容と被害への対応の具体例
・地震による資料保存への被害の防止方法の例(設備、保管方法)
・各図書館での資料保存の地震対応の内容と問題点

 本分科会では、上記のディスカッションを通して、資料保存における地震対策について考えていく。「災害は忘れた頃にやってくる」と言われる。本分科会では、設備や保存方法ばかりでなく、図書館職員が、資料保存のための地震に対する意識づけの方法も含めたい。


担当:
山上 朋宏(奈良女子大学学術情報センター)
北川 正路(東京慈恵会医科大学 国際交流センター)


第2分科会:学術情報基盤 「機関リポジトリの表示設定とカスタマイズ」

 2025年度新規公募分からの即時オープンアクセス義務化を目指す動きや、それにともなうオープンアクセス加速化事業の公募など、本年はオープンアクセスや機関リポジトリにとって大きなできごとが続いている。このように機関リポジトリのさらなる活用が求められる中、多くの機関が利用するJAIROCloudのシステムが2023年度にWEKO3へと移行した。今年度はデータの移行確認が落ち着き、新しい画面の改良を試みている機関も多いのではないだろうか。
 本分科会では、機関リポジトリの画面レイアウトや各機関の特性による独自項目のカスタマイズ、デザインなどの工夫した点について各参加者が事例を持ち寄り、それぞれの機関の取り組みを共有することを目的とする。
 情報交換がメインとなるため、参加希望者には自機関か他機関を問わず紹介したい機関リポジトリについて、以下の要領で発表準備をお願いしたい。イチ押しのポイントを解説し、可能ならば運用や設定についても説明があるとありがたい。

・発表原稿はスライド3-6枚程度
・内容として、画面デザインやインデックスの構造、検索画面や詳細画面での表示項目など
・スライドは後日共有予定

 本分科会を通じて様々な事例を学ぶことにより、使いやすい機関リポジトリについて考える機会となることを目指す。


担当:
楫 幸子(安田女子大学図書館)
有馬 良一(神戸大学附属図書館)


第3分科会:キャリア形成 「資格・検定を中心とした自己研鑽について」

大学図書館を取り巻く環境は、日々刻々と変化している。この変化に対応し生き残りを図るには、個人での自己研鑽を行い、新たな知見を得ることが不可欠であるといえよう。
 自己研鑽の方法には色々な方法が存在する。中でも資格や検定はその人の能力を客観的に証明するものであり、取得・合格に向けた取り組みを行うことは、自己研鑽の手段として大いに有効であると思われる。
 この分科会では、大学図書館の業務に関連した資格・検定について紹介し、取得や合格までの過程について、またこれらの資格・検定を運営する側の視点について紹介する。
 その後、業務に対して自らのスキル向上のために行っている、資格や検定以外を含めた自己研鑽の取り組みについて、参加者同士で情報交換を行う予定である。

担当:
下山 朋幸
中川 恵理子 (金沢学院大学)


9月22日(日)10:00~12:00


第4分科会:大学図書館史 「大学図書館問題研究会の歴史を見るPart8」

 大学図書館研究会(大図研)では現在、五十周年記念事業記念出版物の編集を進めている。この出版物では大図研50年の歴史をまとめる予定で大学図書館史分科会も資料提供等で協力している。今回の大学図書館史分科会では記念出版物の企画内容を伺い、その歴史を掘り下げていくとともに大図研の歴史継承について意見交換していきたい。
 大学図書館史に関心を有する方やこれまでの歴史から現在を捉え直したい方などの参加を期待しており、大学図書館史を学び合う機会としたい。

担当:
加藤 晃一(千葉大学附属図書館)
小山 荘太郎(横浜国立大学附属図書館)



第5分科会:出版・流通分科会 「学術論文の即時オープンアクセスと図書館」

 「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」(令和6年2月16日統合イノベーション戦略推進会議決定)及び、「「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」(統合イノベーション戦略推進会議 令和6年2月16日決定)の実施にあたっての具体的方策」(令和6年2月21日関係府省庁申合せ)が策定され、令和7年度以降に公募が行われる科研費等では、学術論文及び根拠データの即時オープンアクセスが求められるようになります。これに対応する研究者を支援するために、図書館や大学として何を準備して、どう対応していくかを考える必要があります。本分科会では、即時オープンアクセスの対象となる査読付き学術論文について、自機関での論文投稿状況の分析方法や、どのように即時オープンアクセスの支援を行って行くかについて、参加者の皆さんと意見交換を行いたいと思います。

担当:
柿原 友紀(熊本大学附属図書館)
吉田 弥生(大阪大学附属図書館)


第6分科会:利用者支援 「レファレンスで困ったネタを語り合う会」

 この分科会ではレファレンスサービスおよびそれに関わる文献検索について取り上げる。
利用者への直接的なレファレンスサービスは、日常業務の一つである。しかし所属が異なるメンバーと、それについて改めて語るという機会は、昨今少なくなっているのではないだろうか。
 今回の大きな特徴として“分野を限定しないこと”を挙げたい。学部図書館や専門図書館等で特定分野のレファレンスを担当されている方から、総合図書館(general library)等で全分野のレファレンスに取り組まれている方までを対象とする。
 参加者はぜひ日頃の悩みや困ったネタをお持ち寄り頂きたい。もちろん、未経験だがレファレンスに関心があるという方、現場からは離れて情報サービス教育に携わられているという方の参加も大歓迎である。所属を超えたディスカッションを通じて、レファレンススキル向上のきっかけを掴んでいただければと考える。


担当:
德田 恵里 (近畿大学非常勤講師/大学図書館員)
小林 泰名(北海道大学附属図書館)
諏訪 有香(高知学園大学高知学園短期大学図書館)