第36回全国大会 in 広島

 8月27日〜29日の全国大会は、広島で開催されます。会場は広島市街地の南端にあるリゾートホテル、広島プリンスホテルです。地上23階建ての三角柱の建物からは、瀬戸内海の景観や広島の夜景が楽しめます。マリーナも完備されており、ヨットやボートでお越しの方は、海からチェックインすることもできます。
 ホテルのある元宇品地区は、昔は島だったそうです。現在は陸地とあけぼの橋で結ばれており、周囲が約3キロメートルの小さな半島になっています。ほぼ全域が瀬戸内海国立公園の指定区域で、貴重な自然海岸や、これまで人の手が一度も加えられていないという大変めずらしい原生林が残っています。朝の森林浴をするのにも、浜辺で夕日を追いかけるのにも、絶好の場所です。
 ホテルからのぞむ瀬戸内海は、どこまでも見通せる日本海や太平洋に慣れていると、海らしくないかもしれません。波静かな海面に大小さまざまな島が浮かび、水平線も見えません。しかし、日没と共にしだいに際だつ島の稜線や、島影をぬう白い航跡、海岸線をふちどる家々の明かりなど、大海とはまた違った魅力があります。
 海はときに便利です。ホテルから宮島まで電車で1時間半はかかりますが、高速船だとホテル前の桟橋から23分で着きます。広島湾クルージングというおまけも付いて。
 瀬戸内海の多島美を一望できるということだけでも、この大会に参加する価値があると思います。
 自然豊かな元宇品のホテルですが、JR広島駅からタクシーで約20分の距離です。信号と停留場にいちいち止まる路面電車でも、駅前から元宇品口までは約30分です。それからホテルまで15分ほど歩かなくてはなりませんが。広島プリンスホテル行きのバスだと、約40分です。
 JRで広島に来られた場合、広島駅の改札は新幹線口ではなくて、南口を目指してください。うっかり新幹線口に出てしまうと、想像していた駅前との違いに、山を見上げて呆然としてしまうでしょう。
 駅の南口にはバスターミナルと路面電車の停留場があります。駅前から地下に下りたところにある案内所では、観光から交通情報まで幅広く扱っているので、イベント情報も手に入ります。
 残念ながら8月下旬というのはイベントの少ない時期です。宮島や広島湾の花火大会は終わっていますし、最近人気の神楽を見るには早すぎます。市内の美術館でも常設展のみのところが多く、広島東洋カープも遠征中です。市民球場を建て替えるためのたる募金はいたるところにありますので、広島訪問の記念にぜひどうぞ。
 広島駅前は、政令指定都市としては少し寂しい感じがしますが、それは広島の中心地が紙屋町にあるからです。よく知られた観光地、原爆ドームや平和記念公園、広島城、ひろしま美術館、お好み村、本通り、流川などなど、すべてそごう前の紙屋町交差点から徒歩圏内にあります。元宇品口への路面電車も、広島プリンスホテル行きのバスも、紙屋町を通っています。
 このあたり一帯に、シャレオという地下街があります。ちょうど交差点の真下が案内カウンターになっていて、シャレオのことだけでなく、イベントや交通情報など総合的なインフォメーションも提供しています。
 広島については膨大な量のガイドブックが出ていますので、改めて紹介できることはないのですが、広島のベイエリアはお勧めです。
 今回の大会には、もれなくスキルアップとバカンスが付いてきます。ぜひ皆さまご参加ください。

「大学の図書館」2005年5月号からの転載
安田女子大学図書館 楫幸子